まほろば会様定期総会記念講演会に参加させていただきました
本日はお声かけいただいて、奈良県精神障害者家族会連合会(まほろば会)様の
定期総会記念講演会に参加させていただきました。
(こちらに参加させていただくのは去年に引き続き二回目です)
当窓口のホームページ、SNSでも告知させていただきましたが、
本日の講演会は奈良市の吉田病院精神科の遠藤嶺先生が、
「ベルギー視察から学ぶ日本の精神科医療の課題と現状」
というテーマでお話してくださいました。
ベルギーでは、たとえ精神疾患があったとしても
地域で本人の望む生活を送れるようにする「リカバリー」、
そして専門家とサービスの利用者が対等な立場で一緒に最善の方法を考えていく
「コ・プロダクション」を重視する医療改革に取り組まれていること。
地域資源でケアをしていくことを目的とした
約100の組織が関わるネットワークがあり、
早期発見やアウトリーチ(治療を提供する訪問診療チーム)、
ピアサポーターなどによるリハビリ、
利用者個々の状態に応じた集中的な医療ケア、
地域で暮らすための住居支援など5つの機能で
「早期治療、早くに地域に帰す」を実行されていること。
地域のかかりつけ医と精神科医が連携して支援をされていることや、
地域の医療と精神科病院が同じ敷地にあり
地域の方が自由に散歩される開かれた精神科医療の形、
医療保護入院がほぼなく、保護室の使用も年に数日しかないなど、
日本の現状との違いに驚くばかりで、
何より本人を中心に「地域で支援をしていく」ことを
重視されていることがよく分かりました。
これに対し日本は残念ながら、ここ奈良でも精神疾患をお持ちの方は、
まだまだ地域の病院で「対応ができない」
「ほかの患者の迷惑になる」などの理由で治療や入院を断られるケースが多々あり、
このままでは命に関わるケースが発生するのではないかと危惧しています。
吉田病院精神科様では、先日より
医師による訪問診療の制度の取り組みを始められています。
こういった精神科をはじめとするアウトリーチの支援体制が
あちこちに広がっていくことを願いつつも、
地域の病院に精神疾患に対応できる人員の配置や
精神科病院との連携等の整備も進んでいくことを切に願っています。
この度貴重なお話をお聞かせくださった遠藤先生、
ありがとうございます。
講演会のご連絡をくださったまほろば会O様、S様には心から感謝です。
ありがとうございました。