『 The Child Who Never Grew (母よ嘆くなかれ)』


読了。
パール・バックと聞けばノーベル文学賞とか
『大地』がまず口から飛び出す方が多いと思いますが…。

パール・バックの自伝的作品。
彼女が障害のある子を産んだ時から話は始まります。

他とは違う子であることを確認できるまで
様々な病院や療育機関などを行脚したこと、
障がい受容までの心の葛藤、
親なきあとのため子どもが安心してくらせる場所や人を探し回ったこと…
本当に70年以上も前に書かれた作品なのかと思うほど、
リアルで胸に迫ってきました。

著者の心の動きや逡巡を捉えた松岡久子さんによる和訳も秀逸で、
この作品が今現在を生きる私たちにも響く。
自分の後に続く同じ経験をしている親たちのため、
子どもたちのため、
勇気を振り絞り書いてくださった作品なのだということが伝わってくる、
名著でした。

原書のタイトルの和訳がまた秀逸すぎます…。