「学ぶ楽しみ発見プログラム」


昨年ハイブリッド形式で開催されたセミナー
『知的・発達障がいがある人にとっての高等教育の意義』。
当日のセミナーの様子はこちら
その際にお話いただいた、
神戸大学で2019年から取り組まれている、
知的障がいのある方のための学びプログラム
「神戸大学・学ぶ楽しみ発見プログラム
(Kobe University Program for Inclusion 通称 KUPI)」」の
2020年度報告書をいただきました。
(少し前にいただいていたのですが、
しっかりした冊子で全てのページを読ませていただくのに
時間がかかり投稿が遅くなってしまいました。申し訳ありません)
今年度、後期課程に実施されたKUPIの全てのカリキュラムと、
実際にどのように授業を行ったのか、
生徒たち(KUPI生とKUPI生をサポートするメンター学生)の反応や、
生徒からでた意見・感想とそこからの課題や考察、
生徒達の成長等が一つ一つ丁寧に記録されています。

難しかった部分(今後の課題)についても
ありのままの報告書となっているため、
今後この取り組みを検討されている
教育機関の方々にとっても本当に貴重な資料です。

開催2年目となる今年はコロナ禍で、
授業のあり方から手探り状態であり、
運営側の方々にとってアカデミックな授業をされている
「大学の教育(学び)」と「わかりやすさ」との狭間で、
「どんな授業をすればいいか?」
と苦労されていた部分もたくさんお有りだったと思います。

知的障がいのある方のための学びプログラムは、
ただ障がいのある学生に学ぶ機会をあたえるだけではなく、
電車などを乗り継いでの通学や一般学生との交流等全てが
彼らの成長の糧となり、また本報告書にもあるとおり、
彼らの「知らないこと・世界を知りたい、学びたい」という姿勢が、
単にいい学校にいくため、いい仕事につくための勉強ではなく
「学びの本質とは何か」「大学とはどうあるべきか」を
一般学生や先生方が改めて考え、
逆に教わる機会となったことがよく分かりました。

神戸大学の教育コーディネーター河南様、
素晴らしい報告書をありがとうございました。
この取り組みがこれから全国に広がっていくことを願っています。