日本最古の福祉施設


当窓口は奈良市法華寺町にあるのですが、
歩いてすぐのところに町名にもなっている法華寺があります。

こちらは天平時代、伝染病や飢饉などが続く世を憂い
仏教に救いを求めた聖武天皇が、国分寺・国分尼寺建立の詔をだされ、
妻である光明皇后(光明子)の父である
藤原不比等の邸宅跡に建てられた尼寺で、今は安産祈願の寺としても有名です。

光明皇后は、仏教を深く信仰し史上初の皇族出身でない皇后となった方ですが、
悲田院(貧しい方等の救済施設)、施薬院(難病の方の治療施設)という
日本初の福祉施設といえる礎を作られるなど
その功績には目を見張るものがあります。

法華寺には、光明皇后が薬草を煎じ
千人もの難病の方の垢を落としたとされる浴室(からふろ、と読みます。
今のところでいうサウナのような蒸し風呂。室町時代に改築。
敷石の一部は天平時代のもの)の建物が今も残っています。

ちょうど今その光明皇后を模したと言われる
十一面観音菩薩立像の特別開扉期間なので久しぶりに行ってきました。
写真より実物のほうが断然美しいです。珍しい蓮の光背も素敵です。
しんとした本堂の中で時代を感じさせない
美しさにしばし見入ってしまいました。
きっと当時もこんな凛とした姿で
人々のために尽くされていたのでしょうね。

春の特別開扉は4月7日まで、
年数回ご開帳されていますのでお時間がある方は是非足をお運びください。

法華寺には華楽園という庭園もあり四季の花が
色とりどりに咲いていてとても綺麗なのです。
こちらもどうぞ合わせてお楽しみくださいね。