令和元年最後の「あいサポーター研修」でした


先週14日(土)、奈良市ボランティアセンター様が定期開催されている
「ボラかふぇ」12月企画として開催された
『あいサポーター研修』にて講師をさせていただきました。

毎月テーマが変わる「ボラかふぇ」を楽しみに参加されている方、
あいサポーター研修に興味がありお越しくださった方など、
たくさんの方にお申込みをいただき、
定員を超える40数名の方にご参加いただきました。

奈良県では、平成25年より『あいサポーター運動
(様々な障がいの特性、障がいのある方が困っていることや、
必要とされる配慮などを理解して、障がいのある方に対して
ちょっとした手助けを実践することにより、
障がいのある方(もない方もみんな)が暮らしやすい
地域社会を実現することを目的とした運動) 』に取り組んでいます。

『あいサポーター研修』とは、この運動を推進するため、
県民の皆さまに日常生活のなかで、
障がいのある方が困っているときなどに、ちょっとした手助けをする
「あいサポーター」になっていただくことを目的とした研修です。

本日研修の前半は、あいサポートメッセンジャーである
当窓口が講師となり、奈良県版障害理解啓発DVDを観ていただきながら
『あいサポ―ト運動』についてや様々な障がいや生きづらさについてと
その方が困っていること・その方へのサポートの方法などを学びました。
(DVDに登場されている当事者の方、
支援者の方が全て県内の方ということで、
皆さまにとても身近に感じていただけたのではないかと思います)
また、奈良県が独自に定めているルール(条例)についても
お話させていただきました。

そして後半からは、障がいや生きづらさを
お持ちの当事者の方三名にご登壇いただき、
普段の生活で困っていることやどんなサポ―トがあれば
助かるのか等を皆でお聴きしました。

生まれつき「視覚障害」のある中野貴太さんからは
日ごろ困っていること(音響信号がないと信号機の色がわからない・
駅のホームにホームドアがないため、恐怖を感じる)をお聞きしたほか、
実際に白杖を触らせていただいたり、視覚に障害のある方が
実際に使っておられるグッズ(時計や単眼鏡等)を見せていただきました。

大人になってから「発達障害」だとわかったという双子の弟、
中野賀允さんからは、もっと早く知っていたら、という本音や、
「コミュニケーションは苦手だが人が嫌いなわけではない、
自分の場合は一度のことをたくさん言われると分かりにくい。
こういう特性だということを理解して接してほしい」
等のお声をお聞かせいただきました。

さらにもう一人、写真を撮り忘れお写真には写っていないのですが
「吃音」という生きづらさをもつ当事者としてご登壇くださった
堤野 瑛一 (Yoichi Tsutsumino)さんは、
自分の場合は緊張したり初めての場などで吃音が出やすいこと、
思春期から突然吃音の症状が出たこと、
治療等で完治というのがなかなか難しいこと、
自分の吃音を恥じていた時もあったこと等をお話してくださいました。

中野さんご兄弟には、視覚障がいをお持ちの方の
道での誘導方法の実例も見せていただきました。
どんな風に声掛けをしたらいいのか、
サポートしてくださる方のどこをどのように持たせてもらうと歩きやすいのか、
白杖とサポーターの他地域や段差がある時の声掛け方法など、
とてもよく理解でき、これからの実践の参考に
していただけたのではないかと思います。

当事者の方のリアルな声を聞かせていただくことで、

より障がいや生きづらさのある方のことを
身近に感じていただけたのではないかと思います。
登壇者の方への質問もしていただき、
理解が深まる学習会になったと感じています。

会場内では、参加者の皆さんから時折
「へえ~」「そうなんだ・・・」というお声があがったり
笑いがおこったり、あっという間の研修でした。

最後は参加してくださった方の中で
手話ができる方がいらっしゃったため、
その方に急遽先生になっていただき(無茶ぶりですみません。
Iさんありがとうございました)、
皆で基本的な挨拶「ありがとう」の手話と
「あい(愛)サポーター研修」らしく「愛(ⅠLOVE YOU)」
を表す手話を皆さんに覚えていただいて
研修はお開きとさせていただきました。

会場には、また家庭や職場、地域で話すきっかけづくりになればと
障がいや生きづらさをテーマにした絵本などの
書籍などを置かせていただきました。
休憩時間に皆さん興味深々手にとって見てくださっていました。

障害がある方もない方も、皆が暮らしやすい奈良を
これから皆で作れたらと当窓口は思っています😊
週末の朝というお忙しい時間にご参加くださった皆さま、
本当にありがとうございました。

研修後にで皆様からいただいたアンケートを拝見すると
「これを機会に詳しく知りたいし、また参加したい」
「当事者の方のお話が良かったです」
「知らないことばかりで勉強になった」
「2回目だが同じ内容でもよかった」というお声があり
「お話させていただいてよかった」という思いでいっぱいです。

より良い『あいサポーター研修』ができるよう、
これからも精一杯取り組んでいきたいと考えています。

最後になりましたが、この研修へのご協力に快諾いただき、
今日のために準備してくださった中野貴太さま、
中野賀允さま、堤野瑛一さま、研修について
何度もうちあわせくださった奈良県障害福祉課ご担当者Kさま、
ご依頼くださった、奈良市ボランティアセンターIさま、Oさま
(奈良市社会福祉協議会さま)、
そして講師に推薦してくださったサポート21・ならの馬郡さま、
本当にありがとうございました。

※文中のお名前・お写真はご本人のご了解のもと掲載しております。

写真の説明はありません。
画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、室内